映画で重要な役割を果たすカラーグレーディング

映画はテレビドラマとは異なる雰囲気があります。

近年は、ネット配信される動画が増えており、素人でも簡単に動画を撮影、編集して投稿することができます。

そんな時代でも、映画のような動画を作成したいと編集を行う方は少なくありません。

この記事では、映画制作で重要な役割を担っており、映画風の動画を作りたい時にも役立つカラーグレーディングについてご紹介します。

映画には目指す雰囲気がある

映画を企画し、撮影していくにあたっては、フィルムルックと呼ばれる、その映画の全体で目指されるビジュアルトーンがあります。

色合いや明度、彩度、色相の雰囲気や調子などを定め、全体のイメージを崩さないように作り上げていきます。

フィルムルックは、テレビドラマやテレビCMなどの映像に比べると、現実感がない、幻想的なトーンになっていることが多いです。

大きなスクリーンで迫力ある映像を見る特別な機会なので、ドラマのように現実的な感覚で共感を得るのではなく、夢見るような心地や特別感がないといけません。

そのため、フィルムルックはその映画の世界観を表す唯一無二のものであり、現実的になりすぎないようにするのが一般的です。

フィルムルックを実現するために重要なカラーグレーディング

映画でフィルムルックを実現するために行われているのが、カラーグレーディングという作業です。

カラーグレーディングは、映像の色を調整する技法です。

映画は撮影した映像がそのまま映し出されるのではなく、カットされたり、挿入されたりといったフィルムを継ぎ接ぎする作業をはじめ、全体を通じて、設定したフィルムルックにマッチするように色の調整が行われています。

映画制作のスタッフの中に、カラーグレーディング専門のスタッフがいて、色彩の調整を行っているのです。

カラーグレーディングは、肌色をきれいに見せる、空の色を美しく見せるといった手法ではありません。

単に色を作ったり、重ねたりするのではなく、映画の世界観や雰囲気を醸し出すものです。
世界観や雰囲気に合わないのでは、カラーグレーディングの技術は未熟と言わざるを得ません。

たとえば、映画で使われるカラーグレーディングの手法の一つに、銀残しと呼ばれる手法があります。

これは黒を強調し、彩度を低めに抑えたうえで、コントラストを強めにする方法です。

イメージからもわかると思いますが、昔の銀幕映画のようなフィルム感の演出が可能です。

戦争映画なら荒廃したような色合い、希望あふれる映画なら明るく前向きになれるような色合いなど、適したカラーグレーディングが求められます。

映画風の動画に仕上げるために

多くのクリエイターや動画配信者が憧れる、映画風の動画に仕上げるには、撮影時の工夫をはじめ、編集作業も必要です。

その中でも、映画制作の現場でも行われているカラーグレーディングは重要になります。

映画制作と同様に、どんな作品にしたいのか、表現したい世界観をもとに雰囲気をイメージし、それにマッチするようにカラーグレーディングを行っていきましょう。

動画編集では、カラーグレーディングができるソフトを使うことも多いですが、かなり高度なテクニックが必要です。

単に上下を黒くすれば、昔風のフィルム映画のように見えるのでは映画風とは言えません。

映画風にするとは、映画っぽい見た目ではなく、作品のイメージ全体を視聴者の心を捉えるような、現実離れした幻想的な世界へ引き込むことを意味します。

まとめ

映画の世界観を伝えるには、カラーグレーディングが重要な役割を果たしています。

カラーグレーディングで求められるのは、単に色をきれいにする、美しく見せるのではなく、映画の世界観を視聴者に印象付けることです。

以上、映画で重要な役割を果たすカラーグレーディングのコツについてでした。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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